そんなものがあるんですか

どうも岡埜です。住んでいるあたりはコロナがなかなか厳しい状況になってきて、おちおち外出もできない有様です。そういうときは家にこもってブログで駄文を綴るに限りますね。

 

さて世の中には有形無形を問わずいろいろなものがありますが、自分の無知ゆえしばしば「そんなものがあるんですか」と驚かされます。小さい頃初めてビューラーを見た時は、それで目を抉りでもするのかと思いました。誤解で本当に良かったです。使っている当人からしたら至極当たり前のものも、知らない人からは吃驚の面持ちで「そんなものがあるんですか」と言われることが珍しくありません。この程、これまで知っていながら使ったことがなかった「そんなものがあるんですか」なものを行使してきたのでその嬉しさでこの記事を起こすことにしました。なお皆さんがそれを既にご存知でしたら、この記事は単なる私の恥さらしと化します。

 

まず日本の都道府県名を思い浮かべてほしいのですが、47あるうちの1つだけ、少々癖がある名前を冠していることにお気づきでしょうか。名前を聞いたことがない方もいるかも知れませんがそれは群馬です。左上半分が新潟県みたいなあの群馬、前橋駅の周りに活気が無いことで有名なあの群馬、高崎ナンバーから独立する形で前橋ナンバーが爆誕したあの群馬です。隣の市じゃねえか。

 

群馬への熱い思い故に脱線しましたが、その群馬特有の癖というのは英語表記をしたときに生じます。もちろん皆さんが思われる通りの表記であるGUNMAが一般的で、群馬県庁もその表記を用いているのですが、一つだけ目の上のたんこぶ的な例外があります。外務省です。パスポートを管理している外務省はパスポートにGUMMAと書いているのです。小学校で習った人もいますでしょうか、いわゆる訓令式/ヘボン式ローマ字の間の表記ゆれです。外務省と県で書き方が違うので、群馬県では県庁HPで「GUNMAとGUMMAは同じものだよ」の一筆まで用意してこの問題に備えています。

www.pref.gunma.jp

 

この話はそれこそ何十年もの長きに亘り密かに燻っており、他のブログ記事にも同じ話が複数見られます。にもかかわらず私が再度ここで記事化しているのは、私もまさに今この書類を用いて某国機関とやり取りをしたばかりだからです。僅かに揉めながらも最後は「あなたの国のAluminumと他国のAluminiumは同じでしょ」と申し添えて無事通すことができました。

 

少し上の方でこれは群馬だけに起こる問題だと書きましたが、都道府県庁HPのURLを眺めてみると殆どがヘボン式で統一していることに気付きます。この問題は他の都道府県では決して起こらない上、辺境の地群馬でもその旅券について海外へ説明するときにしか生じないので、県も「まあいいだろう」とこの運用にしているのでしょう。余談ですがgummaは医学用語で別の意味があるので、それゆえ県名表記に使わないのかもしれません。ここに書くのは若干憚られるので興味がある方は薄目で調べてみてください。

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しかし書き方というのは難しいもので、時におおらかさを許容していながら一方で厳格さを求められることもあります。ドイツ語圏でウムラウトの有無、つまりUとU(")の違いを見落とした為に100km以上離れた場所へ飛ばされてしまった人の話を見たことがあります(下記)。日本なら差詰、京都の嵐山と埼玉の嵐山とかが当てはまるんでしょうか。私もかつて上野駅で「小金井に行きたい」と尋ねてきたご婦人に「13番線から出るオレンジの電車で1本です」と即答したことがあります。当時の13番線は東北本線の始発で、そこから北上していくと栃木県の小金井駅に着くのですが、もしあの方が行きたかったのが東京都小金井市だったらと思うと恐ろしくて夜しか眠れません。本当に言いたいことは最後に書くに限りますね。ではまた。

 

参考: 

togetter.com