患者のヨウダイが・・・
本投稿の意図は「容態」と「容体」のどちらを使うべきかについて、自分なりに情報を整理することです。従い学術的不正確さを多分に含み得る点ご了知願います。調べるまでは「容態」が正で「容体」は誤、と決めてかかっていましたがどうやらそうではないようです。
1. 岩波国語辞典第7版第1刷では:併記
(以下引用)
【容体・容態】外面に現れ、見て取れる様子。
ア. ありさま。身なり。
イ. 病気やけがの様子。病状。
▽「ようたい」とも言う
(以上引用)
2. 共同通信社記者ハンドブック13版では:容体に統一
(以下引用)
(容態)→容体
(以上引用)
(記者ハンドブック:用字の手引き。送り仮名や、漢字ではなくひらがなを用いる語、などについてのガイドラインの一種)
3. 大修館古語林初版第6刷では:併記
(以下引用)
【容体・容態】(「ようたい」「ようてい」とも)
姿。なり。体つき。また、ようす。事情。
(以上引用)
4. 増補 字源 第236版:別記
【容態】
○ヨウタイ ようす、なりかたち。蘇軾文「天真雅麗、ーー温柔」
○ヨウダイ 国(日本のみで通用する訓義を示す記号) 病気のようす。=容体
【容体】
○ヨウタイ すがたかたち。
○ヨウダイ 病気のようす。
(以上引用)
以上を整理すると、
「容態」に病気の様子という意味を与えたのは日本独特のものである
「容体」にも病気の様子という意味が備わっている
ということで、「容体」と書くのがどうやらベターなようです。
容の字が「すがたかたち」という意味であるから、近い字義の「態」のみを正と考えていたが、ヨウダイを「体の様子」と考えれば容体が尤もらしいということで、今後はこちらに揃えることにします。